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2020.05.26

ノウハウ

産後の骨盤矯正とは?接骨院のビジネス?

  1. 今回は産後の骨盤矯正についての記事を書きます。

ご挨拶

はじめに、改めましてビリオンの有我です。

アメリカの大学で解剖を学び、トレーナーになり。現在までに整形外科医の先生方や、理学療法士、柔道整復師の方々向けにも’’姿勢’’指導をさせていただいています。

今回は骨盤矯正についてです。

産後の骨盤矯正はいる?

「産後は骨盤が開いているから矯正したほうがいい」
一度は聞いたことがあると思います。
結論から言うと、
骨盤は基本的に“勝手に戻ります”
出産によって骨盤まわりの靭帯が緩むのは事実ですが、
それはホルモンの影響による一時的なもの。
ホルモンが落ち着くにつれて、骨盤そのものは自然に元の状態へ戻っていきます。
では、なぜ「体型が戻らない」
「腰や股関節がつらい」
「疲れやすい」
と感じる人が多いのでしょうか?
問題は「骨盤の位置」ではありません
産後の不調の多くは、
骨盤のズレではなく
体の使い方が変わってしまったことが原因です。
具体的には、
妊娠中〜産後にかけての
呼吸の変化
お腹・骨盤底筋がうまく使えなくなる
抱っこ・授乳による前かがみ姿勢
股関節や背骨の動きの低下
これらが重なって、
「骨盤が悪い気がする状態」になっているだけ。
つまり、
戻っていないのは骨盤ではなく、機能です。
骨盤を整えると楽になる理由
整体や接骨院で
「骨盤を整えてもらったら楽になった」
という声があるのも事実です。
これは、
 硬くなった筋肉が緩む
動かなかった関節に刺激が入る
姿勢が一時的に変わる
といった理由で、
体が“動きやすくなった”から
骨盤が物理的に矯正されたというより、
使いやすい状態に近づいたと考えるのが自然です。
産後に本当に大切なのは「再学習」
産後の体に必要なのは、
矯正ではなく再学習 です。
具体的には、
息を吐いてお腹を使えるか
腹圧が抜けたまま動いていないか
股関節と体幹が連動しているか
抱っこや日常動作で無理をしていないか
こうした部分を
少しずつ取り戻していくことが、
結果的に体型や不調の改善につながります。
産後ケアは「今しかできない」わけじゃない
よく
「産後〇ヶ月以内じゃないとダメ」
と言われますが、そんなことはありません。
確かに早めに整えるメリットはありますが、
1年後でも、2年後でも、
体はちゃんと変わります。
焦らせる必要はありません。

接骨院や整体をしている方達が使う、知識のない産後ママの焦りを利用した集客方法です。

骨盤矯正は産後は必ず接骨院とか行かなきゃ!って思ってますもんね。

ヴァレンタインにチョコが売れるとか、ポッキーの日とか作るとみんな買うじゃないですか。そんな感じに骨盤矯正は使われてしまっている事実もあります。

それで実際に行ったとしてもこうやって事実を伝えてくれて体の使い方等を正しく指導してくれる所に通えるといいですね!

では骨盤矯正とは

出産にかけて、靭帯が伸びて骨盤が開きますがそれも自然とホルモンの影響を受けてちゃんと治っていくものです。

 

大転子が外にずれるというのが良くあり、骨盤が開いていると思う理由だと思いますが、それは体の使い方の問題で内側の筋肉が使えなくなってしまったりして筋肉が眠ってしまっているのが良くないです。起こしてあげる必要があります。

簡単に言うと骨盤矯正は骨盤ではなく、全体のバランス整える必要があるということ。


なので骨盤矯正が必要、必要じゃないで答えるとすると、運動も含めた意識でなら必要!
なにもしないのは、姿勢がどんどん崩れる可能性があるので行動には早めに移しましょう。


とここまでがざっくりとした考え方です。これから下は理屈や治し方のイメージをお伝えします。これから筋トレをしていく方もしっかり理解して運動するのでは効果もかなり変わってきます。

頑張って理解して、わからない場合は担当のトレーナーの聞いてみて下さい

どのように骨盤が崩れる?

妊娠中お腹が大きい時期が長くあり、重心の取り方が変わる、産後に開いた骨盤が戻っていく最中で骨盤周辺を含めた姿勢を支える筋肉が弱く、使い方も変わっているため、腰痛、骨盤痛、お尻が垂れる、猫背、大転子の張りなどなど、いろいろな問題が出てきてしまいます。



でも運動を正しいやり方でやればここもしっかり治していけます。

そこで大事になっていくのが体幹を通した体全体の使い方になります。

地面から地面反力という力が働いていますが、それを脚がしっかり受けて、骨盤底筋群、内転筋、腹筋群などに力を伝えて、運動連鎖をしっかり使い、姿勢を整えていかなければ行けません。

正しい姿勢を覚えることで、骨盤が広がっていると感じる、大転子の広がりも抑えられるし、ポッコリした引き締まりのないお腹も引き締められます。産前産後に見られる腰痛対策にもなります。

真っすぐ力を骨盤や体幹に伝えるために背骨のS字を理解しよう!骨盤の前後傾と重心のお話

少し難しくなりますが、産後は骨盤が傾いている人が多いですが、これは妊娠中にお腹に赤ちゃんがいて重さが前にあるために、お腹が前に引っ張られ、骨盤が前傾してしまったり、重心を後ろにしないと倒れるから膝を曲げたり、とにかく重心が変わります。


産後は産後で、子供を抱っこしたり、家事をしたりと反り腰の状態で前にかがむ機会が増えます。抱っこでは骨盤を前に出して後傾させ、ママは少しのけ反る姿勢になったり、骨盤の横の部分に赤ちゃんを乗せたりと姿勢が崩れやすい状態になってしまいます。


絵が下手ですが、理想のS字カーブ


上の写真を見てください。三角は骨盤です。骨盤は少しだけ前傾しているのが理想で、背中の中心あたりは丸くきれいなS字を描いているのが正しい姿勢です。



妊婦さんに限らずですが、こういう(下の写真)形の骨盤前傾の方も多いです。通常のS字に比べ、少し上の部分を反っており(点の部分)、そこから下はまっすぐ固まっていて、使えていない状態。

良くない前傾

骨盤前傾(お腹が重いとこういう風に前に引っ張られやすい、引っ張られてる分体は重心をとるため後傾しようとする)



この状態で何も意識せず筋トレしても、固まっている腰に負担がかかりやすく、臀部や、腹筋など使いたい部分を使うのが難しくなってしまいます。(お腹周りが痩せない)

○の部分を支点に重心を変えた状態(骨盤後傾)

では一旦反っている部分だけ戻してみましょう。そうすると今度はこのようにまっすぐになり通常と比べると骨盤は後傾している状態になってしまいます。


こうなるとお尻がかなり情けなくなり、筋トレしてもお尻やもも裏を使っている感覚が分からなくなってきます。前ももパンパンの人は基本こういう仕組みです。

産後少したって骨盤が後傾している人はこんな流れで背骨の動きが悪く、支点が一つしかないためにまっすぐになってしまっている人も多いでしょう。

なので柔らかく’’背骨全体を動かす’’ことで綺麗なS字を作る必要があります

指導している専門家さんでもごっちゃになってしまっている人が多いですが、
ここで骨盤前傾と言っているのは床に対して前傾している状態を指していますが、実は腰骨に対しては後傾だったりするかもしれませんという事です。(全体のバランスを見れるようになりましょう)


正面から見た大転子の出ている姿勢イメージ

下の画像の様に、力の伝わり方が悪いと大転子というのが横にぽこっと出てしまうと力が横に伝わってしまい、脚は細くならないし、お尻も内ももも正しく使えません。運動しても変に太くなる可能性もあります。




実際に自分の体で体幹してみてください。
1,左の画像のあたりに大転子があります、ぽこっと固い骨です。(だれでも)
2,大転子を触ったまま内またでスクワットを軽くしてみてください。
3,そのまま外に太ももを回してもう一度スクワットしてみてください。


大転子が動いているのが分かると思います。そして内またの時は骨盤の画像の様に大転子が外に押し出されているように、骨盤が広がるように力が手に伝わってくるのが分かるかと思います。

逆に太ももを外に回したときはきゅっとお尻にも力が入り、大転子を押し込めるような力が入るのがわかりますでしょうか?

過度な太もも内回り=大転子外への逃げ

O脚やX脚、産後は特にこのような体の使い方になっている事が多いので改善していきましょう。

 

実際の骨盤矯正方法の例

色々な運動を意識してやってほしいのはもちろんなのですが、1つの例として骨盤を整える準備体操と外に力を逃がさないワイドスクワットを紹介します。


1、骨盤を整える準備体操

 

まず両足90度曲げます。これで左右に動いて、股関節を動かしてもらえれば股関節の動きがスムーズになります。

 

2、しゃがんで腰を正しく反ってみよう。

しゃがんだ姿勢、右の姿勢を作ってみてください。


筋力が弱かったり固かったりするとしゃがんだ時に右のような姿勢が作れません。写真のように何かにつかまって手を使ってサポートしてもいいのでこの姿勢を作るのにどんな筋肉を使うのか覚えてからスクワットなどの運動にとりかかると効率がぐんとあがります。


昔は産後でも和式トイレやほうきでの掃き掃除などで体を使う事から、昔の方のが自然と産後の体型は戻りやすかったとかなんとかも聞いたことあります、今はなんでも便利ですからね、将来の人間の体が心配です。やっぱり体を動かす環境にないのが悪いということですね。


3、ワイドスクワット

今回はワイドスクワットのよくある間違いを意識したポイントのみ説明します。

↑膝が中に入っている↑

↑膝の正しい向き↑

先ず↑の二つを見ると全然恰好が違うのがわかります。ワイドに足幅を広げると特に膝は逆に内側に入りやすくなってしまいます。
膝の皿が、足の指の小指の上にくるくらいに意識しましょう。

↑膝が内側になってしまっている↑

↑正しい膝の向き↑


上の向きで見ると分かりやすいですね。


下ではお尻がしまっているかしまっていないかの違いを見せます。
お尻がしまらないまま膝が伸びてしまうと力が大転子の方向に逃げてしまい、骨盤矯正としてやっているのにお尻が広く垂れてしまいます。しっかり膝を伸ばした力を骨盤の中心に集めるようにお尻に力を入れるよう意識しましょう。

↑お尻&お腹に力が入っていない↑

↑お尻とお腹に力が入っている↑

 

↑膝が内回りして、お尻がしまっていない↑

↑太ももが外回りの力が入っており、お尻がしまっている↑


上の二枚ではお尻が力入っているかどうかはみればしっかり分かると思いますが、膝の向きと脚の形をみてもらうと、お尻がしまっていない写真では膝が内側に向き、O脚に見えるのが分かりますか?

 

産後の骨盤矯正をしたいという方は、このように股関節から考える骨盤への影響を意識してトレーニングしていかなければいけません。





このようにお尻をずっとしめて生活しろというわけではありません。
筋トレやストレッチを通じて、体の正しい使い方を覚えてほしいです。


使い方を覚えたら後は反復練習あるのみ!

ブログでは伝えられることが限られていますが、直接指導させていただけたらなるほど!ともっと深掘りさせていただきます。治療家の方も是非運動家側の知識を盗みにきてくだい。